街中の販売店並ぶ中古車たちは、ビッグモーターやガリバーなど大型中古車買取・販売チェンのそれを除けば、その多くがカーオークションと呼ばれる業者間より引きを経て、売り物として陳列されています。
今回は、一般ユーザーではあまり知ることのできないこのカーオークションでは、どんな相場で中古車が取引されているのかやその仕組み。
さらに、一般ユーザーでも安いと言われるカーオークションで車を探せるのかなど、その方法とともに、触れていきたいと思います。
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動画で中古車について知りたい方は以下からどうぞ。
目次で車の事をチェック
中古車オークションの仕組みとは?
まずは、その誕生からの進化とその仕組みについて説明し、中古車オークションとはどういったものなのか、理解を深めていただこうと思います。
始めはディーラーの在庫整理の一環でした
カーオークション、わかりやすく言うと中古車の業者間セリ市が行われ始めたのは、昭和40年代ごろから。
それ以前は、顧客から中古車を探してほしいと言われたら、同じく販売業を営むほかの店に連絡をして、1件1件探し回るしかなく非常に効率が悪い状況でした。
黎明期の主催者はディーラーで、自動車の普及に伴い増加してきた下取り車両の有効活用と、店頭在庫の処分を目的に、
↓
買い手・・・中小中古車販売店
の一方通行での取引しかされず、会場も開催時も不定期で、参加するのもディーラーと付き合いのある販売店に限られたものでした。
現在の相互出品・入札スタイルへと進化
あくまでディーラーが、身内で在庫を回していたに過ぎなかったカーオークションも、時代とともに変化を見せてきます。
1971年、常設オークションの開催を心待ちにする複数の中古車販売店の共同出資によって、現在のJAAの前身である日本オートオークション協会が発足、東京都墨田区に日本初の常設定期開催の、中古車オークション会場が誕生します。
これにより、中古車店はこれまで買い手としてしか参加できなかった、ディーラー系オークションと違い、自社の過剰在庫や下取り(この頃はまだ現在のような買取スタイルを取る販売店はあまりいなかった)した車両を、出品できるようになります。
システムの近代化
これにより基本的な運営スタイルは固まりますが、この後も長くその取引はそれこそ魚市場で行われているような、人の手による手ゼリでした。
ただ、1980年代に入りマイカー所有率が爆発的に高まってきたことで、オークション会場に出品される中古車の数は増え、人の手によるセリに限界が出始めます。
さらに、参加している業者同士でどこが入札したかが一目瞭然だったため、知り合いと競合すると後の軋轢となることなどを恐れて、入札をあきらめるなどの弊害も起き始めます。
この弊害をなくすために導入されたシステムが、現在のカーオークション会場のほとんどで用いられるPOSシステムによる入札方法。
事前に撮影された、車体の詳細画像がスクリーン放映される入札席にあるPOS上で、入札・不入札を決定することで、自分の落札したい中古車を他業者とのしがらみを気にすることなく、公平に仕入れられるようになりました。
出品票と検査員の存在
オークションに参加する業者は何も画像だけを参考にしているわけではなく、セリ開催前に実際に自分の目で、その車両をチェックすることができます。
ただ、現在では離れたオークション会場に出品されている、同一オークション会社のセリにも参加できるようになっていますが、それについてが現車チェックが困難です。
もっと言えば、オークション会場までわざわざ行かなくても、インターネットを介してのセリ参加も可能ですが、このようなときに中古車業者が全幅の信頼をもって入札の是非を決定するのが、出品票と各オークション会場に在籍する検査員たちです。
出品者は会場に売りたい車体を持ち込むとき、まず出品票を記入します。
この出品票の記入方法や、見方について詳しく説明しても、一般の方には役に立たないので簡単に言うと、その自動車の状態やグレード・年式などが記入される紙、と考えてもらって大丈夫です。
大事なのはここからで、出品票の記入が終わったら、オークション会場専属の検査員による、出品車体のチェックが入ります。
このチェックでは、
出品票記入内容の正確性
修理歴の有無
メーターの改ざん
ボディーの傷や車内のダメージの大きさ・種類・場所
タバコ臭など特記事項
などが厳しく、そして細かく診断されます。
そして診断が終わったら、その内容を検査員は出品票に記入しますが記、入されることの中でも特に重要なのが「評価点」。
評価点とは、その車の総合的な品質を数値で表したもの、
「S点」「6点」「5点」「4.5点」「4点」「3.5点」「3点」「2点」「1点」「R点」「X点」
の11段階で基本評価されますが、4点以上はそのまま何もしなくても商品になるレベル。
「S点」なんてのはほとんど新車で、5点以上ならもう中古車としては、ボディーも車内もピカピカの上級品です。
まあ3点であれば、落札しても少々手を加えれば十二分に売り物になりますが、それ以下は商品化にコストがかかるので敬遠する中古車店も多い。
ちなみに「R点」はリペアの略で修復歴アリのいわゆる事故車、「X点」は修復どころか事故のダメージをそのままにしている車体や、レプリカなどの特殊車両を指します。
併せて内装の状態についてもA?Eまで評価、それがすべて記入されて初めて、出品票が完成します。
オークション会場の検査員は第三者で、非常に公平で正当な診断を下すため、この出品票に対する中古車業者の信頼は絶大。
出品票だけチェックして、現車はほとんど見ないままセリに参加する中古車業者もたくさんいるほど重要なポイントなのが、この出品票と検査員の存在なのです。
中古車オークションにいくにはどうすればいいの?
現在、日本で中古車オークションを行っているのは、USS・TAA・JAA
などで、全国各地にその会場は点在しています。
そして結論から言えば、一般の自動車ユーザー個人では、オークション会場に立ち入ることが一切できません。
オークション会場に入場できるのは、車の販売・買取をする古物商を持ち、それぞれの会場の審査を通過し一定の会費を支払っている加盟業者と、そのスタッフのみ。
また、その落札価格を簡単に一般ユーザーに伝えることは、長く業界全体のタブーになってきました。
さて。これにて終業と相成りまして自宅、愛知県へと帰ってまぃります~🐸
つっ、疲れてますが後日、相場の醍醐味を体感し得る商材を拾ぅことが出来ましたのでワクワクのほぅが勝ってますょ~💪🔥😆
でわ。お疲れ様でした~俺っ😄✌️
↓中古車のオークション風景~😣💦 pic.twitter.com/zbnMLfsp8N
— かたい絆に大御所ルーキー。 (@banchou_na) 2019年5月11日
SNSなどで中古車オークションに言ってる人もほんの一部の限られた方という事ですね。
中古車オークション相場の調べ方はあるの?
基本的なことを言えば、入場することができない以上、業者が口をつぐんでしまえばオークション会場での中古車相場を知る術は、あまりありません。
ただし、いくつかのオークション代行業者の中には、自社の公式HPでその概算を公開しているところもあり、特に出品・落札のいずれもを代行している、オークサポートのオークション相場検索機能が秀逸なのでここで紹介。
先程紹介した、業者のみが参加できその相場を知る全国のオークション相場を参考にした、予想相場でしかないことを断ってはいますが、その正確性はかなり高い。
試しに、平成24,25年式のスズキワゴンRで検索をかけてみると、
と、こんな具合にズラ?っとその相場情報がヒット、その数100台以上でボリューム感も満点です。
走行の項目は単位が千km、評価のところにある数字は、おそらく上記で説明した評価点のこと。
なので、試しに上から数えて4台目、
のこちらは評価店5点で、走行距離もまだ3万6千kmで5年落ちの車体、と読み取ることができます。
評価点5点は、正直車体も内装も文句のないレベルにきれいで、その足回りのチェックでも問題なしの評価を得ている状態。
こちらと同条件の中古車が、巷の販売店でいくらほどで売られているかというと、バラつきはもちろんありますが、大体70?80万円はします。
それが30万円近く安い、44?48万円で落札されているということを知れば、オークションに行ってこれを直接購入出来たらどんなにいいだろう、とだれもが思ってしまう。
だから、一般人のオークション会場への立ち入りはNGで、その正確な相場を知ることも容易にはできないようにしているのです。
ちなみに今回は、ワゴンRを例に出してそのオークション相場を探ってみましたが、これはあくまで概算であり、必ずこの値段で購入・売却ができるというものではないことをお断りしておきます。
地域によって値段の差がある?
中古車は、その出品されるオークション会場の土地柄によって、その落札相場が変化していました。
基本的に、何台も駐車スペースを確保できない都市部は、一度に大人数が1台で移動できるワンボックスが。
職場や買い物先が遠く、1世帯あたりに何台もクルマを所有するケースも多い郊外では、その購入費や維持費などが安い軽自動車の需要が多く、特に寒冷地では雪道を走行しやすいRV車の人気が高くよく売れます。
そのため、都会でRV車種を安めに仕入れ、それを雪国で開催されるオークションに持ち込み、利ざやを稼ぐブローカーも昔はいました。
ですが、最近は流通網の発展や、そもそも土地柄の関係ないインタ―ネットでの参加などが普及したため、地域によって大きく落札相場がズレることは無くなりました。
個人でも車を買う・売る事が出来る?
これまでも述べてきた通り、車の売買に携わる業者でない一般ユーザー個人が、中古車オークションに参加し取引をすることは、直接的には不可能です。
しかし望めば、代行業者を介して愛車を出品・売却益を得たり、自分の望みの金額内で意中の車体を落札・入手することは可能です。
代行業者を利用するメリットは、
売却の場合・・・買取専門店の利益を介さない、正当なオークション相場で売却できる。
購入の場合・・・販売店の利益分や、コストに関係ない値段で購入できる。
オーディオレスや内装環境重視など、自分のニーズにピッタリの車体をゲットできる。
などがあります。
反対にデメリットとして、
売却の場合・・・設定最低落札希望額が高い場合、セリ流れの可能性がある。
購入の場合・・・現車を直接見れない上意中の車体が、競合業者にセリ取られてしまう可能性もある。
などは覚悟しておかねばなりません。
ただ、購入でメリットは潤沢な購入資金を用意すれば回避可能で、現車をチェックできない点も、正直言って出品票とそこに記載されている評価点さえ確認できれば、素人がわかるようなことはすべて把握できるので問題ないでしょう。
代行をお願いすると手数料がかかる?
前項で述べた、それぞれのメリット・デメリットのほかに、代行業者も商売ですから一定の手数料を請求してきます。
基本の手数料は3万円から5万円がその相場、購入つまり落札の代行を依頼した場合は、これに1万円程度の落札料を、落札成功時に請求されるのが一般的です。
一方売却、つまり出品の代行をしてもらう時は上記の基本料に加え、
出品料・・・約1万円
成約料・・・約1万円
会場までの陸送費・・・地域により変動
がかかってきます。
また、USSやJAAのような取引台数もセリ参加者も非常に多い、大手の中古車オークションでも、その落札率は前出品者の6割程度。
そのため、出品した愛車が落札されないケースも稀なことではありませんが、落札されなかった場合は再出品料として、初回出品料と同様の1万円ほどがさらに必要になります。
基本手数料が安めの3万円であり、陸送代が3万円の会場に出品、3度目の出品で晴れて落札成功となったケースで、そのトータルでかかる費用を計算すると、
3万円(基本手数料)+3万円(陸送費)+1万円×3(初回出品・再出品料)+1万円(成約料)=10万円
となります。
つまり、先程紹介したオークション落札相場を確認し、その額が買取業者の見積もりよりこの10万円以上高くないと、場合によってはかえって損をしてしまいことになります。
一方購入の時は、どの代行業者に依頼しても再入札費用を請求してこないのが一般的なので、その費用は最大でも5?6万円で済みます。
中古車業者の利益が大きく乗った、その店頭中古車販売価格と比較すると、かなりの安値落札もできるのでいい代行業者に巡り合えさえすれば、その利用価値は大きくなります。
悪徳代行業者に注意しましょう
オークション代行業務を行っているのは、何もそれを専門にしているところだけでなく、自身でも販売や買取をしていても、オプションのサービスとして取り扱っている店があります。
大小入り混じり沢山の代行サービスが選べますが、昔ほどではないといってもそんな中には不当に利益を得ようとする、悪質な代行業者も紛れ込んでいます。
現在でもまだ横行している手口と言えば、
1. 基本手数料は安く設定しているが、再出品費用や再落札依頼手数料が、異常に高額である。
2. 落札代行を請け負っているが出品表などを公開してくれず、車体の詳細が不透明。
3. 最低落札額を、ユーザーに黙って高く設定わざと数回セリ流れをさせ、不当に安い価格での買取を提案し買い叩いてしまう。
などがその代表的な例。
ですので、これに該当する業者ではないか依頼する前にネット情報をチェックしたり直接問い合わせをして、悪徳業者に引っかからないよう十分に注意しましょう。
中古車オークションにおける人気車種の落札相場表を作成してみた!
最後に、当サイトが持つコネクションや情報・経験などをもとに、業者間オークションにおける、各メーカー人気車種の落札相場一覧表を作成しましたので、売却時はもちろん購入時の参考資料として、ご活用ください。
なお今回は、各車種とも中古出品がオークションでも多く見られだす、5・7年落ち(CX-5のみ5・6年落ち)車体について、それぞれ1年あたり1万km程度の走行距離であるものを、具体例として挙げています。
車種名・年式 | 中古車オークション落札相場 |
プリウス・5年落ち | 93~122万円 |
プリウス・7年落ち | 58~72万円 |
シエンタ・5年落ち | 83~105万円 |
シエンタ・7年落ち | 60~74万円 |
セレナ・5年落ち | 97~122万円 |
セレナ・7年落ち | 62~80万円 |
N-BOX・5年落ち | 65~72万円 |
N-BOX・7年落ち | 57~71万円 |
ステップワゴン・5年落ち | 84~109万円 |
ステップワゴン・7年落ち | 73~85万円 |
フィット(ガソリン)・5年落ち | 51~63万円 |
フィット(ガソリン)・7年落ち | 38~46万円 |
タント・5年落ち | 65~82万円 |
タント・7年落ち | 54~67万円 |
CX-5(ディーゼルターボ)・5年落ち | 141~165万円 |
CX-5(ディーゼルターボ)・6年落ち | 128~150万円 |
ワゴンR・5年落ち | 50~62万円 |
ワゴンR・7年落ち | 35~44万円 |
ムーブ・5年落ち | 46~55万円 |
ムーブ・7年落ち | 37~46万円 |
いずれの車種も、現在中古車市場において多大な支持を受けている人気車種ばかりなので、比較的高い相場で取引されていることがわかります。
そして、この相場感を基準に買取業者は査定額を決めていきますが、必ずしもこの水準で買取がなされるわけでありません。
というのが、ユーザーから車を買い取ってオークションで転売する業者の場合、業者間オークション落札相場から、会場への陸送費や出品手数料などとともに、自社の利益を引いておかないと商売になりませので、ここで示している価格よりかなり安い金額の査定しか、出てこない場合もあります。
一方、ユーザーから買取した車体をオークションに出品するのではなく、自社で直接販売をしているガリバー・ビッグモーター・カーセブン当たりの場合、オークション利用時の中間マージンが発生しないため、場合によってはここで示した相場感よりも、高く査定するケースもあります。
ただし、そうはいっても「1社だけにお任せ」なんてことをしていると、相手は必ず足元を見てきますので、やはり一括査定サービスを利用して複数業者に査定依頼し、愛車の買取価格を競い合わせるよう、心がけましょう。
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