両親から車を引き継いで乗っていたり、ローンの関係上若い世代では親名義になっている車に乗るケースも、決して珍しいことではありません。
そして、様々なパターンにおいてその車を売りたいと考えることもありますが、親名義の車はそもそも売ることが可能なのか、可能であるならばどのようにすればいいのかなどについて今回は説明してまいります。

親名義の車を売る事が出来る?

車を売ろうとしている両親

まず、結論をお伝えするなら、親名義の車を買取業者などに売ることは、必要書類を準備し手続きに沿っていれば「可能」です。
高齢化が進む現在、視力や聴力の低下や判断力のダウンで起こる、高齢ドライバーの事故も増えてきていることも受けて、英断ですが運転免許を返納。
併せて車が必要なくなるケースにおいて、子供が親の代わりに車の売り手を探すこともあるため、当然と言えば当然です。
また、未成年だった子供が成人した、ローンを完済したなどに伴って、親が実質上子供に車を譲るケースもあります。
素早く、金策のために売りたい場合などを除けば、その時点で名義変更をすれば問題のないことで、その方が売却の時にいちいち親の意思確認や、書類の準備をする必要もない。
もし親御さんの許可が出たら、さっさと名義変更をしておいた方が何かとスムーズなのでおすすめです。

勝手に売る事は出来る?

とはいえ、いくら子供と言っても親に無断で車を売ることは不可能、これも至極当然のことですが、それには以下で説明する必要書類の存在が関係しています。
そして、併せてすぐに許可なく売ることが可能になる名義変更についても、所有者である親の許可なしに、勝手にすることはできないシステムになっています。
ただし、法律上動産として財産になっている普通車はそうなのですが、そうではない軽自動車は実印が必要ではないため、親に黙って名義変更ができてしまい、併せて黙って売ってしまうこともできます。
最近の軽自動車は装備なども充実し、普通車並みの新車価格の車種も多いことから買取相場の高く、早く制度を見直すべきと考えますが、親の車を勝手に売ってしまうのは、親不孝以外の何物でもありません。
事実として売ることはできるけど、無断で売ってはいけないことをここでは強調し、その理由についても以下で触れていきます。

必要な書類

れっきとした財産である、普通車を売るという行為ができるのは、所有者もしくは所有者の意志で名義変更の手続きができる場合に限られますので、基本的に名義変更と親名義のまま車を売ることはイコールで、必要な書類もほぼ共通です。
まず、自分だけでは入手できない、

1. 所有者(親)の印鑑証明書
2. 実印(親)が捺印された委任状
3. 実印(親)が捺印された譲渡証明書

を用意する必要があり、これが「勝手には売れない」ことに繋がっています。
軽自動車の場合、実印と印鑑証明書さらに譲渡証明書もいらず、捺印する印鑑も100円均一などで購入できる三文判でOK、そのため比較的簡単に委任状も準備できるでしょう。
しかし、仮にこれらを自分で記入したり印鑑(実印でなく三文判でも)をこっそり捺印をして作成すると、「有印私文書偽造」の罪に問われる可能性があります。
この刑罰は、告訴なしでは起訴できない親告罪ではなく、親子関係でも処罰の対象となる「親族除外」もない刑罰なので、絶対にしないでください。

その他に必要となる、

4. 新所有者の印鑑証明書
5. 新所有者の実印が捺印された委任状
6. 車検証

等は自分で準備ができますし、軽自動車の場合は5にお酢印鑑は認め印で構わないので、併せて4も必要なくなります。
ただ代わりに、印鑑証明で証明できる住所を確認するための住民票だけは、別口で必要となってきます。
この他、併せて行われる名義変更時に必要な、

自動車税・自動車取得税申告書
手数料納付書、
申請書(OCR)

などは、買取業者が準備と記入をするので必要ありません。
また委任状や譲渡証明書などは、買取業者なら書面を準備しているはずなので、自分と親の記入分をもらってきて、しっかりと親自身に記入と捺印をしてもらえば、それほど準備に手間がかかることはないでしょう。

親が死んでいる場合

親御さんが健在であるならば、その意志さえあれば前項の1,2,3をそろえるのにそれほど労力は発生しませんが、問題は既にお亡くなりになっているケース。
この場合は用意すべき書類が増え、

① 所有者が死亡したとわかる書類
② 相続人が誰であるのかが分かる書類
③ 相続人の実印、署名がなされた遺産分割協議書

などを、売却時には準備しなくてはいけません。
①と②については、通常籍を共にする家族が相続人であるケースが多く、亡くなったことも記載されている戸籍謄本を準備すればいいので、それほどの手間ではない。(女性で結婚し、亡くなった方の籍から外れた方がいる場合は、改正原戸籍が別途必要。)
ただし、③の遺産分割協議書は、相続人全員に署名と実印の捺印、さらに全員分の印鑑証明書が必要なので、その入手に非常に手間と時間ががかかります。
当サイトとしては、今流行りの就活の一環ではありませんが、他の財産分与と同様に遺言書を作成したり、あらかじめ車を譲る予定の子供に前もって名義変更などをしておいた方が、家族間の余計なトラブル防止にもつながり良いのではないかと考えます。
ちなみに軽自動車は財産ではないので、通常の車売却で用意する書類だけで売ることができます。


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